「コロナ対策を優先し、カジノを含むIR事業は停止する」 林市長に意見書を再度提出

市民自治をめざす神奈川の会は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出される前の

3月17日に、林横浜市長に「コロナ対策に全力を尽くすために、カジノを含むIR

事業のスケジュール停止を求める意見書」を提出しました。同じような意見書・要望書

が多くの市民団体からも出されたと聞いています。しかしこうした声を無視し、林市長は、パブリックコメントの募集など事業はそのまま続行しました。

その後、新型コロナウイルスの感染拡大はますます深刻になり、全国に緊急事態宣言が

出されました。東京などは医療崩壊の一歩手前であったという報道もあります。

緊急事態宣言は解除されましたが、依然として、市民の生活、働く現場、様々な

事業などから悲鳴が聞こえてくるような影響が続いています。

市民自治をめざす神奈川の会は、改めて、6月19日に以下のような意見書を

林市長出しました。回答は、6月29日にありましたが、「新型コロナウイルスの

感染症対策にしっかりと取組んだうえで、将来の備えとして、IRについても検討準備

を進めていきます」とありコロナ禍の深刻さを全く意に介さないような内容です。

今後秋にかけて、延期になっていた「カジノの是非を問う住民投票条例制定」を求め

る直接請求署名活動が予定されています。コロナ禍にあって、横浜のこれからを決めて

いくのは、市民の権利です。市民の選択権を行使するために、住民投票の実現を。

横浜市長 林文子様

意見書

カジノを含むIR事業の停止を求めます

 

当会は、3月17日に「新型コロナウイルスの感染対策を全力で行うために、カジノを含むIR関連事業のスケジュールの停止を求める」意見書を提出しました。市長からは、4月1日付で、事業は国からのスケジュールの見直しも示されていないことから、このまま進めていくとの回答がありました。又、5月12日の横浜市会本会議でも、「IR事業の停止を考えず、市の経済活性化策として推進していく」との答弁があったと聞いています。

 

しかし、この間大きく状況は変わってきております。神奈川県の緊急事態宣言は、解除にはなりましたが、依然として感染対策は最優先で取り組まなければなりません。秋以降には、第2波、第3波がくるのではないかと専門家は言っています。

そして何よりも、もうコロナ以前とおなじような生活をすることはできません。市民は、こうした困難な中で、工夫しながらも生活をおくっていますが、すでに限界に近い、あるいは限界を超えた状況に置かれている市民も多くいます。

 

世界的にも、パンデミックにより世界大恐慌以上の経済的なダメージがもたらされていると言われています。5月13日には、米国のカジノ大手のラスベガス・サンズが日本・横浜へのカジノを含むIR事業には参入しないとの表明がなされたとのこと。この「新型コロナウイルスの感染」により、カジノ事業者も、大きな転換を求められています。カジノを含むIR事業は、もはや事業として成り立たないことの証明が、ラスベガス・サンズの撤退ではないでしょうか。

 

林市長は、カジノを含むIR事業による経済活性化という幻想を捨て、新型コロナウイルスの感染対策とその社会的・経済的な影響から市民の生活と命を守るために総力を挙げて市政に取り組むことこそ、市民から求められていると考えます。

 

今すぐ、カジノを含むIR事業を停止し、その予算・人材を市民から求められている政策に、振り替えるべきです。

以上の意見にご回答をお願いします。

 

神奈川ネットワーク運動・市民自治をめざす神奈川の会

代表  神田光枝

2020年6月19日