高齢者は、部屋を借りられない!?

メンバーの知人(81歳)が、30代で結婚してから住んでいた1軒家が借地契約の終了とともに地上げとなり、引っ越しを余儀なくされました。お連れ合いは、3年前におなくなり一人暮らしでした。これまでの研究活動で集めていたたくさんの書籍や資料の整理はしたものの、これからもまだ研究したいことがあるとのことで、必要な書籍・資料が多くある方です。公的な賃貸物件なども検討しましたがマッチする物件がなく、半年以上民間のアパートやマンションの物件を探しました。が、どこも「高齢者には貸せない」との反応でした。「事故物件になる可能性があるから」とのこと。
探すのにも疲れ果て、半ば資料など捨てざるを得ないかと諦めかけ、最後に訪れた不動産屋さんの若いスタッフが親身になり探してくれ、ようやく落ち着き先が決まったと、嬉しいお知らせがあったと。不動産屋さんも「奇跡のよう」だと。
高齢になったら、身辺整理をして余生は静かに慎ましく生活するのが当たり前、研究活動なんてトンデモナイ!と社会に言われているようだと、本人は社会問題にすべきではないかと、怒っていたとのこと。
このような事例は、まだまだあるのでは。高齢者の住まい、特に単身高齢者の住まいは、公的な住まいを整えつつあるでしょうが、当事者の希望する生き方の実態と合わずに我慢を強いられる方が多くあるのではと、今回の事例から、考えさせられました。